コラム

2020.12.14 [不動産登記]

権利証が複数発行される場合~大田区の司法書士事務所より・第30回コラム 

こんにちは。
ほりぐち法務事務所 事務局の鈴木です。
気がつけば,あっという間に12月ですね(^^;)たくさんやり残したことがあるような,ないような…
 
 
さて,今回は権利証が複数発行される場合について書いていきます。
 
 
権利証が複数枚発行される場合があるの?と思った方もいると思います。
不動産を共同で購入することにより権利証は2通3通と複数枚発行される場合があります。
 
 
権利証が複数枚発行される場合
 
①夫婦連名で名義登記をしている場合
 一般的にはそれぞれ出資した金額に応じた持分で登記することがほとんどです。
 例えば4,000万円のマンションを夫2,000万円,妻2,000万円
 ローンを組んで購入する と夫1/2,妻1/2で登記され権利証は2枚発行され
 ます。
 
②家族と一つの不動産を分割して所有している場合
 親が亡くなり3人の子どもが親の所有していた物件を分割して相続する場合,
 権利証は3枚発行されます。6,000万円の物件を3人の共有名義で相続する
 場合,1人2,000万円分相続したことになります。

 
 
いつから権利証が複数枚になったか
 
 
平成17年の不動産登記法改正までは登記済証を権利証と呼び,共同名義で登記した場合でも権利証が複数冊発行されることはありませんでした。不動産登記法改正以降,登記済証に代わり登記識別情報が発行されるようになり,共同名義の場合は共同名義人ごとに権利証(登記識別情報)が発行されるようになりました。権利証を発行する際の手数料は1通ごとにかかります。
 
 
 
権利証を複数枚にするとき気をつけること
 
権利証を複数枚にしたとき,問題になるのは共同名義人の承認がないと不動産を売却できないという点です。夫婦で共同名義にしていて離婚した場合,話し合いし売却するか,共同名義人の持分を購入するかになります。
 
しかし,権利証が複数枚(共同名義)の場合,住宅ローン控除を二重で受けられたり,住宅ローンの借入額を上げることができたりなどメリットもあります。そのため,どちらがご自分に合っているのかよく検討してから決めるのがおすすめです。
 
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。