コラム

2021.06.16 [相続]

改製原戸籍について~大田区の司法書士事務所より・第34回コラム 

こんにちは。ほりぐち法務事務所 事務局の鈴木です。

関東もとうとう梅雨入りしましたね。梅雨といえば紫陽花がきれいな季節なので最近は紫陽花の写真を撮ることにはまっています。
憂うつな時期も好きなことをしているとあっという間に過ぎてしましそうです。


さて,今回は改製原戸籍,について書いていきます。


改製原戸籍とは
改製原戸籍は法の改正によって形式を変更し閉鎖した戸籍のことをいいます。原戸籍ともよばれます。改製原戸籍には改正後の戸籍謄本に記載されない改正前にあった「認知」「養子縁組」「離婚」「養子縁組」などの事項が載っていたりもします。
縦書きの戸籍謄本と見た目が似ていますが,書類の文頭に「改製原戸籍」,最後に「この謄本は,原戸籍の原本と相違ないことを認証する」という文言や「改製原戸籍」の文字の左に「○○年法務令~改製につき○○年○月○○日消除」という文言でも確認できます。



相続手続きには改製原戸籍が必要
戸籍謄本が法改正により改製原戸籍になると戸籍謄本に引き継がれない事項があります。(認知,養子縁組,離婚など)
そのため,相続手続きの際には正確に法定相続人を確認するため,出生から死亡までの戸籍が必要となり,今回の改正原戸籍が含まれることもあります。



改製原戸籍の取得方法
改製原戸籍は他の戸籍謄本,除籍謄本と同様,本籍地がある市区町村の役所でとることができます。(郵送で取り寄せることもできます。)取得する際に必要な金額は1通750円と戸籍謄本や住民票と比べると高くなります。

出生から死亡まで同じ市区町村に戸籍があった場合は同じ市区町村の役所で必要なすべての戸籍等(戸籍謄本,除籍謄本,改製原戸籍謄本)をとることができます。しかし,婚姻などの理由で本籍地が変わっていた場合はそれぞれ本籍地があった市区町村の役所で戸籍等をとることになります。

その場合は,手元にあるもっとも古い時期の戸籍等から従前(前の)本籍地を確認し,その市町村の役所で取得します。本籍地が複数回変わったことがある場合も同じようにさかのぼって取得します。

もしお仕事などで取得するのが難しい場合は専門家に相談すると代わりに取得することができます。(別途費用がかかる場合があります)


改製原戸籍の保存期間
法改正により新しい形式の戸籍謄本ができると以前の戸籍謄本は改製原戸籍となります。改製原戸籍は法改正があった時代により保管期限がそれぞれ違います。()内が保管期間です。

・明治19年式戸籍(80年)
・明治31年式戸籍(80年)
・大正4年式戸籍(50年)
・昭和23年式戸籍(100年)
・平成22年6月1日の戸籍法改正後の戸籍(150年)



保存期間が過ぎてしまい書類が破棄されていることがあるかもしれません。また,戦災・震災などにより消滅いていることもあります。その場合は市町村で戸籍等を発行できない旨の証明書を発行してもらうことができます。


改製原戸籍はあまり聞きなれないかもしれませんが,相続手続に必要な戸籍等の内の1つになります。機会があったら意識してみてください。


本日も最後までご覧いただきありがとうございました。