コラム

2022.02.25 [相続]

相続の種類「単純承認」について~大田区の司法書士事務所より・第38回コラム 

ほりぐち法務事務所 事務局の鈴木です。

にっくき花粉の季節やってきましたね。
以前は花粉症じゃなかったのに,おととしぐらいから突然花粉症になったようで鼻がムズムズしてたまりません(>_<)

マスクを二重にしようかと悩んでいる今日この頃です。



さて,今回は相続の種類について書いていきます。



皆さんは「遺産相続」と聞いて何を思い浮かべますか。



「相続人は誰か」,「手続きの期限があるのか」,「どのくらいの遺産があるのか」などでしょうか。



もし自分が相続人になった場合,相続する遺産が必ずプラスの資産(不動産・預金など)とは限りません。財産にはマイナスの財産(借金)も含まれるからです。




このことを知ると(マイナスの遺産があったらどうしよう)と不安になる方もいるかもしれません。



相続には「単純承認」,「限定承認」「相続放棄」の3種類があり,自分で相続を選択することでマイナスの財産を受け取らなくてよい場合があります。今回は,この中の「単純承認」について書いていきます。


単純承認とは

相続の中で一番シンプルな相続の方法が「単純承認」です。相続人は被相続人のプラスとマイナス全ての財産を相続することになります。
相続が始まってから(自分が相続することを知ってから)3ケ月以内に何もしなければ,原則として単純承認をしたことになります。



●単純承認の注意点
 
-熟考期間を過ぎると他の種類に変更はできない

相続が始まってから3ヶ月を「熟考期間」といい,マイナスの財産があった場合は限定承認,相続放棄などの相続の種類を選ぶことができます。この期間を過ぎてしまうと単純承認をしたとみなされます。



-財産を処分すると熟考期間内でも単純承認となる

熟考期間内でも高価なブランド品や美術品を売却・贈与した場合は財産を処分したとみなされ,単純承認をしたことになります。被相続人が亡くなってからの財産の管理には注意が必要です。



-財産を隠す・消費した場合も単純承認となる

たとえば,被相続人の死後に相続人が財産目録を作ることがあると思います。その時,意図的に目録の中に入れていない財産があった場合は隠したとみなされ,原則として単純承認したことになります。また,相続放棄後が受理された後に被相続人の預貯金を自分の為に使用(私的流用)した場合も同様です。




もし熟考期間内を過ぎてしまいそうになったときは,家庭裁判所に申立てをすることで期間の伸長を行うこともできます。期間が迫ってきている場合はなるべく早く専門家にご相談ください。



本日も最後までお読みいただきありがとうございました。